培養室の免震化を考える(3)

アイディールブレーン社のミューソレーター。
http://www.ibrain.jp/isolator/
2枚の薄い板を組み合わせて、大地震の時にスルスルと滑って揺れを吸収してしまうというものだ。



マンションの免震装置と同じ原理と思われる。
震度7地震でも、震度1くらいにおさまってしまうということだ。



インキュベーターの下にこの免震装置を設置する。
ただ敷くだけなので、設置も簡単で短時間で終了した。
(もちろん業者にやってもらいます)







恵愛病院生殖医療センターには2台のインキュベーターがあり、
縦長のキャビネットタイプと、横長のデスクトップタイプがある。
インキュベーターの下に黒い板、その下にシルバーの板があるのが分かると思います。
地震のときにはこの2枚の板が滑って揺れを吸収してくれるのです。




これは素晴らしい。
設置も簡単で、比較的安価である。
しかし、



唯一?にして最大の欠点がある。



それは設置する場所が広くなければならないことだ。
しかもかなりの広さが必要だ。







工事現場の立ち入り禁止エリアみたいなものが写っていますが、
地震の時に滑って動くために、壁から一定の距離が必要で、
また周りに物を置くと衝突して危険なのだ。



通常、体外受精を行っているクリニックは人が集まる都市部にあることが多い。
ビルの一室を借りて培養室を作ることが多いので、このような面積を確保するのはかなり難しいと思われる。



幸いにも?
恵愛病院生殖医療センターは、東京近郊の埼玉県にあるのだが、
開発が規制された区域にあり、敷地にはめぐまれている。



やはり天変地異であるので、これで100%大丈夫とは言いきれませんが、
恵愛病院生殖医療センターにて体外受精をされている患者様は、
地震の時、培養中の胚に関しては比較的安全と考えてもらってよいと思います。