紫外線の卵子への影響

昨日に引き続き、紫外線の卵子への影響を調べてみた。
以下の表はマウスの胚に太陽光(1分)や二種類の蛍光灯(15分)をあてた後、胚移植しその予後をみたもの。


マウスの胚へ蛍光灯や太陽光を照射すると有意に生産率が低下する。

Effects of light on development of mammalian zygotes.
Takenaka M, Horiuchi T, Yanagimachi R.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Sep 4;104(36):14289-93. Epub 2007 Aug 20.

FullTextが読めます。http://www.pnas.org/content/104/36/14289.long



自然妊娠では胚盤胞までの時期に光にあたることがない。それに対し、体外受精では多少なりとも光にあたってしまう。特に紫外線の比較的強い蛍光灯はよくないようだ。恵愛病院生殖医療センターではすべて最新式のLED照明なので現状の施設の中では影響がかなり少ないほうだと思われるが、それでもなるべく正確かつ迅速に卵子や胚を扱うことが重要であると再認識させられた。