軽度汚染水道水の胎児への影響

今までの日記では主に外部被ばくについて検討したが、平成23年3月23日東京都水道局の金町浄水場葛飾区)で、水道水から乳児の摂取制限を超える放射性ヨウ素が検出されたため、今回は内部被ばくについて。http://www.metro.tokyo.jp.cache.yimg.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3nf00.htm



日本産科婦人科学会による見解がでています。
「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110324.pdf
から一部抜粋

1.軽度汚染水道水(1kg 当たり200ベクレル前後の放射性物質を含む水道水)を妊娠期間中、毎日(最終月経開始日より分娩まで計280日間)1リットル飲むと仮定した場合、妊娠女性がその間に軽度汚染水道水から受ける総被ばく量は1232マイクロシーベルト(1.232ミリシーベルト)と計算されます。なお、赤ちゃん(胎児)の被ばく量は、母体の被ばく量に比べて少ないとされています。
2.お腹の中の赤ちゃん(胎児)に悪影響が出るのは、赤ちゃんの被ばく量が50000マイクロシーベルト(50ミリシーベルト)以上の場合と考えられています。なお、日本産科婦人科学会では放射線被ばく安全限界については米国産婦人科学会の推奨に基づいて50ミリシーベルトとしてきております。(当日記では今までICRPの100ミリシーベルトとしていました。)
3.母乳中に分泌される放射能活性を持ったヨウ素は母体が摂取した量の4分の1程度と推測されますが、確定的なことはわかっていません。



胎児に影響が出るとしたら、1リットルあたり200ベクレルとして4.4マイクロシーベルトで計算すると、50000マイクロシーベルトになるには11364リットル水を飲まなければならない。
また、3月24日金町浄水場の検査結果では74ベクレルと減少しており、乳児への摂取制限も解除されています。http://www.metro.tokyo.jp.cache.yimg.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3ok00.htm
(これらの胎児に安全とされる量はあくまでも外部から被ばくし子宮内の胎児への影響をみたもので、内部被ばくに関する報告はほとんどないと思われます。)



結論:3月24日現在報道されている量であれば、震災発生後から現在まで飲み続けていても、また今後も全く心配いりません。
ただし、蓄積される量など内部被ばくに関しては不透明な部分もあります。また雨が降った後などは一時的に増える可能性もあるので、乳児の摂取制限を超えた場合のみ、控えたほうがよいかもしれません。*1
(他の日や他地域では状況が異なる場合があります。)

*1:結論には筆者の推測が含まれています