放射線の胎児への影響

放射線の胎児への影響については多くの報告があるが、

前回の日記と同様にICRP(国際放射線防護委員会)によるガイドラインの日本語訳より、
医療における放射線防護 http://www.icrp.org/docs/P105_Japanese.pdf

「従来から主要な器官の形成期間は妊娠3週目から8週目までの期間と考えられているが、この期間中に被ばくした場合、特に被ばく時に発育段階にある器官で先天性異常が生じることがある。これらの影響のしきい値は約100mGy である。」

「妊娠8週目から25週目までの期間、中枢神経系は特に放射線に対して感受性がある。知能指数の低下は100mGy以下の胎児線量では臨床的に確認することはできない。同じ妊娠期間中に1Gy程度の胎児線量を受けると、重度の精神遅滞を引き起こす確率が高くなる。この感受性は妊娠8週目から15週目までの期間で最も高く、妊娠16週目から25週目までの期間になると感受性は低くなる。」



また、埼玉県のホームページより http://www.pref.saitama.jp/page/housyasenryou.html
平成23年3月22日現在の埼玉県の放射線量は1時間当たり約0.11-12マイクロシーベルトで一日を通してほぼ一定。雨が降ったためか少し増えているようだが。

日本原燃株式会社のホームページよりhttp://www.jnfl.co.jp/monitoring/kaisetsu/spatial-nGyh.htmlより
1グレイ=0.8シーベルトで計算すると



埼玉県での放射線量は1時間当たり多くて0.15マイクログレイとなる。上記のガイドラインからは100000マイクログレイ以下では胎児には影響がないとしている。
単純計算すると67万時間、または2万8千日、または76年間、ずっと外に出続けてやっと影響が出るかどうかの量である。




結論:影響が出るころには、おなかの中の子はとっくに生まれています。その子の、さらに子または孫たちに囲まれて幸せな人生を全うしていることでしょう。
(平成23年3月22日埼玉県内での計算結果です。他の日や他地域では状況が異なる場合があります。)