タイミングはいつごろとればよいのか?

タイミングTiming療法・指導というのは、不妊治療のなかでももっとも基本的かつ簡便なものである。
しかし、ひとことでTiming療法といっても、超音波で卵胞の大きさをチェックし、排卵を予測しなければならないので実は難しいのだ。
ARTであれば血中ホルモン値を測定したり、排卵を促すようなHCG注射やGnRHagonistを使用することができるのでよっぽど簡単である。



Timingと排卵日の関係から妊娠のしやすさを検討した論文
Timing of sexual intercourse in relation to ovulation. Effects on the probability of conception, survival of the pregnancy, and sex of the baby.
Wilcox AJ, Weinberg CR, Baird DD.
N Engl J Med. 1995 Dec 7;333(23):1517-21.


Figure2:排卵日を0日としてTimingをとった日の妊娠のしやすさを見たグラフ


排卵日さえわかれば、2日前(-2)から排卵日当日(0)が一番妊娠しやすい。排卵後1日でもたってしまうと妊娠の可能性はゼロになってしまう。
これは排卵された後の卵子の寿命が短いことによるのだろう。
一方、精子はかなり長生きなようで、排卵5日前(-5)のTimingでも妊娠する可能性があるとのこと。



排卵日が過ぎないように注意して、2日から3日に一度くらいTimingが取れれば十分であるということがわかる。
問題は正確な排卵日の予測法だが、超音波による卵胞径測定ではかなり個人差が大きく、実は血中ホルモン値(LH)が最も正確である。
その話はまた後日。